乳酸菌のアトピー性皮膚炎を改善する効果とは?
当ブログでは「アトピー性皮膚炎をサプリメントや食事の栄養効果で改善するための方法」について述べています。前回の記事では「アトピー性皮膚炎を治すための腸内環境改善方法」について書きましたが、今回は「乳酸菌のアトピー性皮膚炎を改善する効果」について述べていきたいと思います。
まず、乳酸菌の効果についてですが、乳酸菌は糖を分解して乳酸を多量に作り出す菌であり、生きた乳酸菌が増えれば増えるほど、腸内のpH(ピーエイチ)は酸性に傾くため、悪玉菌の増殖は抑えられ、腸内の環境は健康に保たれます。
また、食事やサプリメントから摂った乳酸菌は新参者であるため、すでに出来上がっている腸内細菌の多様な集まり(腸内フローラ)に定着することは難しいとされています。
そのため、体外から摂った乳酸菌はやがて体外に排出されてしまいますが、有胞子性の乳酸菌などが胃酸に負けることなく生きたまま腸に届くと、3~7日は乳酸を腸内で生み出して酸性の保つとされています。
さらに、乳酸菌を摂取することでTLRと呼ばれるセンサーが働き、免疫活性が促されるといわれています。
具体的には、乳酸菌は摂取すると、樹状細胞のTLRと呼ばれるセンサーが反応することで、細胞からサイトカインや抗菌ペプチドが分泌され、有害菌の繁殖が抑制されるほか、抗体を製造する獲得免疫の働きも活発になるといわれているのです。
そしてその免疫活性がアレルギー症状を改善することにつながると考えられています。
しかし、免疫系を活性化させてアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を改善することに関しては、生きている乳酸菌にこだわる必要はないとされています。
出来るだけ多くの乳酸菌を摂り続けることがアトピー改善のためには大切
このことに関して、腸内細菌学のパイオニアである東京大学名誉教授の光岡知足氏は、
免疫の働きの利用には、まずワクチンや抗生物質の開発に目が向けられてきましたが、乳酸菌が免疫を活性化させてくれるのであれば、毎日の食事もこれまで以上に重要な意味を持ってきます。(中略)
そう、実際には、乳酸菌の菌体成分に自然免疫が反応しているのです。だとすれば、大事になってくるのは菌の数です。なるべくたくさんの乳酸菌を送り込むことが、腸管免疫を刺激し、健康状態を高める近道です。
ヨーグルトを摂ることでもそうした効果は得られますが、その場合、毎日一定の量を摂り続けることが何よりも必要になります。
あまりたくさん摂るのは大変だと言う人は、乳酸菌を含有したサプリメントでもかまいません。
(光岡知足『腸を鍛える―腸内細菌と腸内フローラ』 p86~87)
と述べています。
つまり、乳酸菌によってアトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー症状を改善していくためには、生きているか死んでいるかにこだわらず、なるべく多くの乳酸菌、できれば数百億個の乳酸菌を摂り続けることが重要なのです。
しかし、数百億個の乳酸菌をヨーグルトなどから毎日摂り続けるのはなかなか難しいため、乳酸菌に関しては、「乳酸菌革命 」などの乳酸菌サプリメントから摂取するのが効率的でおすすめです。
乳酸菌を摂ることはストレス対策にもなる
そのほか、乳酸菌を摂ったマウスは、無菌マウスよりも、血液中のステロイドホルモンの濃度が下がるというマウス実験の報告があり、乳酸菌やビフィズス菌にはストレスを軽減する効果があるとされています。
ストレスはアトピーにとっては大敵ですが、乳酸菌を摂ることは、ストレス反応によってステロイドホルモン(コルチゾール)を分泌する副腎の負担を減らすことにもつながってくると思われます。