糖質制限がアトピー性皮膚炎の改善に必要な理由
当ブログでは「アトピー性皮膚炎をサプリメントや食事の栄養効果で改善するための方法と対策」について述べていますが、今回は「糖質制限がアトピー性皮膚炎の改善に必要な理由」について書いていきたいと思います。
「糖質制限」というと、過度の「糖質制限」は健康を損ねる原因になるという理由から賛否両論がありますが、普段の食生活において穀類や砂糖などを摂り過ぎてしまっている場合は、ゆるやかな糖質制限で余分な糖質を減らすことで、生活習慣病のリスクを減らすことができるとされています。
では、生活習慣病ではなく、アトピー性皮膚炎やアレルギーなどの改善のためになぜ糖質制限が必要なのでしょうか?
その答えを提示しているのは、栄養療法の専門家である溝口徹氏です。
溝口徹氏自身も以前はアトピー性皮膚炎に悩まされていたといいますが、溝口氏は『アレルギーは「砂糖」をやめれば良くなる!』のなかで、糖質を過剰摂取すると、血糖値を下げるためにインスリンが分泌されても、今度は血糖値が下がりすぎるために、血糖値を安定させようとして副腎からホルモンが分泌されることが、アレルギーの発症に関係しているとしています。
糖質の過剰摂取
↓
血糖値を安定させるため、副腎からホルモンが分泌される
↓
副腎に負担がかかり、ホルモンの分泌が減少する
(アレルギーに対抗するホルモンの減少)
↓
アレルギー症状の悪化
(溝口徹『アレルギーは「砂糖」をやめれば良くなる!』p7~8)
このことについて、溝口氏は、
人の体にとって血糖値はできるだけ一定で安定している状況がよい。とりわけブドウ糖を主要なエネルギー源にしている脳は、血糖の急激な低下に対して危険を察知し防御反応を示す。そのときに分泌されるのが、アドレナリンやステロイドホルモンの一種であるコルチゾールといったホルモンであり、それらはおもに副腎という臓器で合成されている。
これらのホルモンは、緊急時のストレス下で本来は分泌されるものだが、糖質の摂取に伴う血糖の乱高下によって一日に何回も分泌されることになってしまう。(溝口徹『アレルギーは「砂糖」をやめれば良くなる!』p7)
と述べています。
アトピーの改善に効果的な糖質制限とは?
そのため、副腎がきちんとコルチゾール(ステロイドホルモン)を分泌できるようにするためには、なるべく糖質は控えたほうが良いのです。
しかし糖質制限といっても、炭水化物を徹底的に食生活から排除するのではなくお菓子や清涼飲料水に大量に含まれている砂糖や果糖ブドウ糖液糖など、血糖値を急上昇させる糖質を減らしていくことが重要になってきます。
つまり、糖質の過剰摂取→インスリンの分泌→低血糖→副腎のホルモン分泌という「インスリン・スパイク」とも呼ばれる流れが、結果的に副腎に負担をかけてしまうため、アトピー性皮膚炎やアレルギーを治していくためには良くないのです。
したがって、副腎からのコルチゾールによってアトピーの炎症を抑えていくためには、適度に糖質制限を行ない、砂糖が入っている甘い物や白米などの摂り過ぎは避けた方が良いと考えられます。
ちなみに、もし甘い物がやめられないという方は、甘味料として血糖値をほとんど上げないオリゴ糖を使ってみることをオススメします(特にラフィノースと呼ばれるオリゴ糖がアトピーの改善に良いと言われています)。
また、糖質制限は大切だといっても、腸内環境の改善に必要な食物繊維は炭水化物に分類されるため、白砂糖や異性化糖などの血糖値を上げやすい糖質は減らしたとしても、食物繊維はきちんと野菜などから多めに摂るようにすることがアトピーを改善していくためには必要です。
ちなみに、この白砂糖などの糖質を減らして食物繊維を野菜などからきちんと摂ることは血液をきれいにしてアトピーを治すことにもつながっていきます。
まずはゆるやかな糖質制限から
以上が糖質制限がアトピー性皮膚炎の改善に必要な理由ですが、日頃から身体にとって必要な分の糖質はしっかりと摂りつつ、自分の出来る範囲で適度な糖質制限を行っていくことは、副腎の負担を減らし、アトピーを治していくのに効果的だと思われます。
また、毎日の食事において、ご飯やパンなどの主食に関係した「糖質制限」を始める際は、自身のからだの調子と相談しながら、ストレスにならないようにゆるやかに行うことが大切になってくると考えられます。
たとえば北里研究所病院糖尿病センター長である山田悟氏は、『糖質制限の真実』のなかで「ロカボ」と呼ばれるゆるやかな糖質制限を提唱しています。
この「ロカボ」という言葉には、普通の「糖質制限」や「ローカーボ」には含まれない、もう一つの考え方を付け加えています。それは〝緩やかな〟糖質制限であるということです。
糖質を1食20~40グラム、それとは別に1日10グラムまでのスイーツ、間食を食べて1日の糖質摂取量をトータル70~130グラムにしましょう、というのが「ロカボ」の定義です。(山田悟『糖質制限の真実』 p116~117)
普通の糖質制限と違うのは、下限を切ることによって、ケトン体が出てくるような極端な低糖質状態になることを避けているということです。これによって、ケトン体分泌に伴う血管内皮細胞の障害などを除外できます。
また、極端な糖質制限は食事の幅が非常に狭まりますが、この〝緩やかな〟糖質制限=ロカボの定義に従えば、食べられるものの幅はぐんと広がるのです。(山田悟『糖質制限の真実』p117)
さらに、江部康二氏の『人類最強の「糖質制限」論』からゆるやかな糖質制限の目安を紹介しますので、よろしければ参考にしてみてください。
◎スタンダード糖質制限食
夕食は糖質制限をしますが、朝食と昼食はどちらか1食だけ糖質制限。つまり朝食か昼食どちらか1食だけ糖質をとります。
糖質をとる場合、1食当たり糖質50~60g。1日当たり糖質70~100gが目安です。
朝食か昼食どちらか1食だけ糖質をとるといってもご飯の大盛やおかわりは避け、量を控えめにします。また、玄米や全粒粉パン、そばの実を石臼などで挽いた十割そばなど、精製度が低くて食物繊維が多く、血糖値を上げにくい主食を選ぶように心がけるとなおいいでしょう。(江部康二『人類最強の「糖質制限論」』p79)
◎プチ糖質制限食
これは1日3食のうち夕食だけ糖質制限をする方法です。
1日当たり糖質110~140gが目安。朝食と昼食は、1食当たり糖質50~60gが目安です。
プチ糖質制限食はハードルが低い分、続けやすいです。スタンダード糖質制限食と同じく、糖質をとるときはご飯の大盛りやおかわりを避け、精製度の低いもの(ご飯なら玄米、パンなら全粒粉パンなど)を選ぶようにするとより効果的です。(江部康二『人類最強の「糖質制限論」』p80)
ちなみに、アトピー性皮膚炎の改善のために必要な腸内環境の改善と、糖質制限を同時に行いたい方で、そのためのサプリメントを探している方には、おなかカンパニーROTTSの「MetaBioメタバイオ 生酵母・生酵素・生麹」がオススメです。
「MetaBioメタバイオ 生酵母・生酵素・生麹」には、非加熱の活きた酵素や、酵素を含む麹が含まれており、糖質やタンパク質、脂質などの分解と消化をサポートしてくれます。
また、酵母には小腸と大腸の両方で働くという特長があり、腸内細菌の多様な集まりである腸内フローラのバランスを整える効果や、腸内の善玉菌のエサになることで善玉菌を増やす働きもあります。
さらに酵母には糖質を炭酸ガスとアルコールに分解する発酵パワーがあるため、余計な糖質の吸収を抑えてくれます。
したがって、「MetaBioメタバイオ 生酵母・生酵素・生麹」に含まれている生きた酵素や酵母の働きは、糖質制限や腸内環境の改善のサポートに効果を発揮してくれると考えられます。