ストレスが副腎を疲労させてアトピーを悪化させる理由とは?
当ブログでは「アトピー性皮膚炎をサプリメントや食事の栄養効果で改善するための方法と対策」について述べていますが、今回はストレスが副腎を疲労させてアトピーを悪化させることについて書いていきたいと思います。
アトピー性皮膚炎になると、ストレスを感じた際に皮膚がかゆくなり、掻きたいという衝動に駆られてしまいます。
そのためストレスはアトピーを悪化させる原因だとされていますが、そもそもストレスとは何でしょうか?
「ストレス」とはもともとは工学、物理学の分野で使われていた用語で、物体に外から力が加わった時に生じるひずみのことを指しています。
しかし人間社会の中での「ストレス」とは、物理的や科学的、心理的や社会的なものなど、様々なものがストレスとして関わってくるため、ストレスの原因は何かと一概に言うことはできません。
ところで、ヒトのからだは、脅威に直面すると、脳の下垂体が副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌し、副腎皮質を刺激することでコルチゾール(ステロイドホルモン)を分泌します。
このコルチゾールには炎症を抑える働きがあるため、ストレスによって体内に炎症が起きたとしても、炎症がひどくならないようにしてくれているのです。
しかしコルチゾールの分泌量が減ってしまうと、炎症が抑えられなくなり、アレルギー症状が行なってくる可能性があります。
このことに関して、栄養療法の専門家である溝口徹氏は、『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』のなかで、以下のように述べています。
ストレスのタネがいたるところにある現代は、コルチゾールを出す副腎にとって、まさしく〝受難の時代〟といえるかもしれない。ふつうに暮らしていても副腎は酷使され、疲れているのである。
さらに、アレルギーを抱えていると、コルチゾールの使用頻度は増える。花粉症を例にとると、鼻の粘膜で起きている炎症をおさえるためにコルチゾールが動員される。その流れは以下のようになる。
炎症が起きている部位からサイトカインという物質が放出され、それが血液で全身を巡り、脳にも送られる。すると、脳から「炎症をおさえろ」という指令が出され、下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が出てくる。
このACTHによって副腎はコルチゾールの生成を活性化し、どんどん血液のなかに分泌して、炎症部位に送り届け、炎症を鎮めるのである。
いつもストレスにさらされていて、コルチゾールが不足してくる。その結果、アレルギーの症状が悪化することになるのだ。
実際、花粉症もアトピーもストレスを感じると症状がひどくなる。とくに顕著なのはじんましんだ。(溝口徹『アレルギーは「砂糖」をやめれば良くなる!』p55~56)
アトピーの悪化を防ぐためのストレス対策は副腎の強化
アトピー性皮膚炎を治していくためには、ストレスを感じないような生活を送るのが一番なのですが、何がストレスになるのかは人それぞれで違ってくるため、「~を避けるべきだ」とは簡単に言えません。
また自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスをうまくコントロールするためには、適度なストレスも必要だとされています。つまり、緊張した時に優位になる交感神経を刺激するためには、毎日家でただのんびりと過ごしているだけでは駄目なのです。
そのため、アトピーの悪化を防ぐためのストレス対策として必要なことは、ストレスの原因そのものを探すことも大切なのですが、それよりも、副腎の疲労を防ぐことだと思われます。
つまり、その人自身がストレスを感じているかどうかは、副腎がストレスによる炎症を抑えるためにコルチゾールを分泌しているかどうかによって決まると考えられるのです。
したがってアトピーの悪化を防ぐためのストレス対策とは、これはひとつの手段ではありますが、ステロイドホルモンを分泌し続けている副腎を助けるために、ビタミンCやビタミンB群などの栄養素を多く摂っていくことなのです。
それに加え、ホルモンの材料になるタンパク質を積極的に摂っていくことも大切です。
また、糖質も過剰摂取してしまうと、血糖値を安定させるためにコルチゾールが副腎から分泌されて副腎疲労の原因になってしまうので、注意が必要です。