マグネシウムのアトピー性皮膚炎を改善する効果
当ブログでは「アトピー性皮膚炎をサプリメントや食事の栄養効果で改善するための方法と対策」について述べていますが、今回はマグネシウムのアトピー性皮膚炎を改善する効果について書いていきたいと思います。
マグネシウムは前回の記事で書いたカルシウムとの関係において、重要な役割を果たしています。カルシウムが血中に多く存在するようになると、そのカルシウムは様々な問題を引き起こすといわれています。
このことに関して、山田豊文氏は、『「老けない体」は骨で決まる』(青春出版社)のなかで以下のように述べています。
マグネシウムが不足していると、細胞内に入ったカルシウムを適切に外に連れ出すことができない。当然、細胞内はカルシウム過剰の状態が続くわけだ。
(略)本来、カルシウムは生命活動のスイッチを入れるときに細胞内に入り、役目を終えたら再び細胞の外に出なければならない。それが、カルシウムの正常な〝居場所〟とということになる。ところが、細胞内の外に導くマグネシウムが足りないことで、カルシウムは自らの居場所を間違えてしまうのだ。
そのカルシウムが悪さをする。(山田豊文『「老けない体」は骨で決まる』p47~48)
マグネシウム不足とアレルギーの関係とは?
山田豊文氏によれば、マグネシウムが不足すると、アレルギーの問題と関係してくるといいます。たとえば、アトピー性皮膚炎は「炎症」と深く関わっていますが、ヒスタミンという物質は、体内を「炎症」モードにするアラーム役であるといいます。
そのヒスタミンが分泌されることによって、免疫細胞が炎症という異常事態を抑えるべく働き出すというのですが、「細胞からヒスタミンを分泌するためのスイッチをONにするのがカルシウム」なのだといい、「細胞外のカルシウムが細胞内に一時的に入りこむことによって、ヒスタミンの分泌が開始される」といいます。
そして異常事態が解決されれば、カルシウムは細胞の外に出て、スイッチがOFFとなり、ヒスタミンの分泌も止まるそうです。しかしカルシウムが細胞内にいつまでもとどまっていると、ヒスタミンが延々と分泌され、そのことがアレルギー症状とも関係してくるといいます。
そのため、細胞内のカルシウムを細胞外に連れ出す必要があるのですが、その役割を果たすのが「マグネシウム」なのです。
マグネシウムは、細胞の内側に入ったカルシウムを、再び細胞の外側に連れ戻す役割を担っている。つまり、細胞内外のカルシウムの濃度差はマグネシウムによって一定に保たれているわけだ。また、骨と血液中のカルシウムの濃度をコントロールしているのもマグネシウムである。(山田豊文『「老けない体」は骨で決まる』p44)
マグネシウムを摂取するコツとは?
そのためカルシウムとマグネシウムはセットで2:1の割合で摂るのが望ましいのですが、現代社会は甘い物やアルコールの摂り過ぎが原因でマグネシウムが不足しがちであるため、1:1の割合で摂るのが良いと山田氏は述べています。
また、マグネシウムは玄米などの未精製の穀物や、豆類、海藻類、青菜類に多く含まれているとされています。
それに加え、山田豊文氏が『「老けない体」は骨で決まる』のなかでカルシウムとマグネシウムのバランスを整える食事のポイントを挙げていますので、紹介したいと思います。
- 「できるだけ化学肥料や農薬が使われていない野菜や果物を食べる」
- 「白米や精白小麦粉食品をやめ、玄米や全粒小麦粉食品をとる。未精製穀物、あるいは精製度合いが低いものを選ぶ」
- 「食材を煮たりゆでたりするとマグネシウムが溶け出してしまう。調理時間は短く、簡潔を心がける。あるいは、汁ごと食べられるような料理にする」
- 「清涼飲料水や加工食品は徹底的に避ける」
- 「カフェインやアルコールもできる限り避ける」
- 「薬を安易に飲まない。マグネシウムにとっては大敵」
これらの山田氏が挙げているマグネシウムとカルシウムのバランスを整える食事のポイントは、アトピー性皮膚炎を治していくための食生活とほとんど合致するような気がします。