ビタミンDサプリメントのアトピー性皮膚炎を改善する効果
当ブログでは「アトピー性皮膚炎をサプリメントや食事の栄養効果で改善するための方法」について述べていますが、今回は「ビタミンDサプリメントのアトピー性皮膚炎を改善する効果」について述べていきたいと思います。
ビタミンDは丈夫な骨の形成に必要な栄養素だという印象がありますが、実はアレルギーの一種であるアトピー性皮膚炎の改善にも高い効果を発揮すると思われます。
そのことについて詳しく書かれているのは、栄養療法の専門家である溝口徹氏の著作『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』においてです。
新しく知られるようになったビタミンDの作用は、本来は異物でないものに反応しないように作用している腸管免疫寛容を調整し、リンパ球に作用し免疫を整え、皮膚や粘膜からのバイ菌などの侵入を防ぐ抗菌ペプチドを産生することなどである。これらの作用は、ビタミンというよりはホルモンのような働きだ。
薬によるアレルギー治療で紹介したステロイドホルモンは切れ味鋭く症状を改善させるが、副作用が強いことが大きな問題であった。ところがビタミンDはステロイドホルモンのような効果があるにもかかわらず、通常の使用方法では副作用の心配がない。まさにアレルギー治療の救世主といえる存在である。(溝口徹『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』p141)
実際の治療では、重度の花粉症、アレルギー性鼻炎やじんましんに対して十分な量のビタミンDをサプリメントで補うことによって、劇的に症状が改善することを、私も多く経験している。しかしこの治療では、抗ヒスタミン剤による眠気やだるさを感じることもなく、さらに今でもどうしてもステロイドが必要であった患者さんもステロイド剤が不要になるのである。
ここで紹介しているサプリメントのビタミンDとは、医薬品で骨粗鬆症の治療で処方されている活性型のビタミンDではなく、その一歩手前の活性が乏しいビタミンDのことである。(溝口徹『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』p142)
ビタミンDに関して、溝口徹氏は「本来は異物でないものに反応しないように作用している腸管免疫寛容を調整し、リンパ球に作用し免疫を整え、皮膚や粘膜からのバイ菌などの侵入を防ぐ抗菌ペプチドを産生する」、「ビタミンDはステロイドホルモンのような効果があるにもかかわらず、通常の使用方法では副作用の心配がない。まさにアレルギー治療の救世主といえる存在」としています。
ビタミンDを効率的に摂取するには?
そのため、アトピー性皮膚炎を改善して皮膚の健康を取り戻していくためにビタミンDは必要不可欠だと考えられますが、このビタミンDを摂取するにはどのような手段が効果的なのでしょうか?
ご存じの方も多いと思いますが、ビタミンDは最低15分以上日光を浴びると、紫外線の刺激によって皮膚で作られます。
しかし、日焼け止めを塗っていたり、洋服越しやガラス越しに太陽光を浴びたりしても、ビタミンDは作られないとされています。
それに加え、屋内で生活する時間が増えた現代人の多くは、知らないうちにビタミンDが不足していることが考えられます。
そのため、十分な量のビタミンDを体内に確保するためには、きちんと屋外にでて、日光浴を15分以上することが必要になってきます。
ビタミンD摂取はサプリメントと日光浴の併用がおすすめ
また、食べ物から十分な量のビタミンDを補給するのは難しいため、経口摂取の場合はサプリメントから摂るのがおすすめです。
屋内で生活する時間が多いため、なかなか日光浴をする暇が無かったり、雨の日が続いたりする場合は、うまくビタミンDサプリメントを利用することで、ビタミンDの不足を補うことができます。
ビタミンDの全てをサプリメントで補うよりは、きちんと日光浴をして皮膚でビタミンDを作ったほうが良いと思われますが、アトピー性皮膚炎を改善していくためには、日光浴とサプリメントをうまく併用することで、十分な量のビタミンDを確保することが大切なのです。
そのため、日光浴が出来なかった日は、ビタミンDサプリメントをうまく活用して、ビタミンDが体内で不足しないようにすることをおすすめします。
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『アトピーに朗報!』で紹介されたアトピーの乾燥肌を改善する「アトピスマイル」については以下の記事を参照してください。
ビタミンCサプリメントの副腎を強化してアトピー性皮膚炎を改善する効果
当ブログでは「アトピー性皮膚炎をサプリメントや食事の栄養効果で改善するための方法と対策」について述べていますが、今回は「ビタミンCサプリメントの副腎を強化してアトピー性皮膚炎を改善する効果」について書いていきたいと思います。
ビタミンCはアトピー性皮膚炎を食事やサプリメントで改善していくために必要不可欠な栄養素だといえます。
なぜなら、副腎が作り出すステロイドホルモンにビタミンCは深く関わっているからです。
特にビタミンCはコルチゾール(ステロイドホルモン)が作られる時に使われる栄養素であることが知られています。
副腎が作り出すコルチゾール(ステロイドホルモン)はストレスを感じると分泌される炎症を抑えるホルモンです。
このコルチゾールはストレスを感じ続けることによって、副腎から分泌され続けると、やがて副腎が疲労して、分泌量が減ってしまいます。
そして炎症を抑えられなくなるので、アレルギー症状が起こりやすくなるのです。
またストレスに対抗する「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」などのホルモンも、ストレスを感じる度に副腎から分泌されます。
ビタミンCのこまめな摂取が副腎疲労を助ける
アトピー性皮膚炎の発症やアトピーの悪化にはストレスが深く関わっていると考えられますが、ストレスを感じる度にコルチゾールを分泌し続ける副腎を助けるためには、ビタミンCは多めに摂らなければならないのです。
このことに関して栄養療法の専門家である溝口徹氏は、以下のように述べています。
副腎の代謝にかかわるすべてのビタミン、ミネラルのなかで、もっとも重要なのがビタミンCだ。ストレスは副腎の疲労につながる大きな要素だが、そのストレスとビタミンCのかかわりは極めて深い。
あえてストレスをかけて、ビタミンCの血中濃度を測るという動物実験では、ストレスが強いほど、体内でビタミンCが大量に合成、消費されることがわかっている。人間の体内ではビタミンCはつくられないから、ストレスによって、当然不足してくる。(溝口徹『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』p144)
仕事がハードだったり、睡眠不足だったり、といったときの肉体的なストレスもあれば、人間関係や仕事の悩みなどからくる精神的なストレスもあるわけだが、ビタミンCはその種類に関係なく、ストレスがかかれば不足するのだ。
また、副腎でコルチゾールやアドレナリンなどのホルモンがたくさんつくられれば、補酵素として働くビタミンCも多く使われるということもあり、その意味でも十分に供給することが大切なのである。(溝口徹『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』p145)
イチゴを一日に8個食べれば、必要なビタミンCが摂れる、などと最近ではいわれているようだが、日常的にストレスを受けていれば、当然そんな量ではまかないきれない。
では、どのようにして摂るべきか。ビタミンCは水溶性で、身体に蓄積されない、つまり、どれほど多く摂っても、尿として排泄されてしまうから、多量のビタミンCを摂っても意味はない、と考えている人は多い。
しかしじつは、ビタミンCは体内の臓器によっては高濃度に含まれており、必要量が増えたときのために貯蔵されているのである。その機能を担ってい る臓器のひとつが副腎である。副腎では、かなりの高濃度でビタミンCをため込んでおくことができる。ストレスをはね返すホルモンをつくり出す副腎は、ビタ ミンCを待ち望んでいる。このストレス社会に打ち克つためには、身体にビタミンCをつぎ込む努力を惜しまないでいただきたい。(溝口徹『「うつ」は食べ物が原因だった!』p163~164)
このように、ストレスと副腎皮質ホルモン「コルチゾール」の合成とアトピー性皮膚炎の関係性において、ビタミンCのこまめな補給は欠かせないのです。
ビタミンCはコラーゲンの合成にも欠かせない
さらにビタミンCはコラーゲンの合成に欠かせない存在です。
コラーゲンは皮膚や腱、軟骨などの結合組織を合成するタンパク質で、血管や皮膚や骨などを丈夫に保つ働きがあります。
しかしビタミンCが不足するとコラーゲンの合成がうまくいかなくなり、肌荒れの原因になります。
そのためアトピー性皮膚炎によって肌が荒れている状態を治していくためにもビタミンCは必要なのです。
アトピーを改善するためのビタミンCサプリメントのおすすめは?
したがって、サプリメントをうまく利用して、こまめにビタミンCを補給することが、ストレスに対抗したり、アトピー性皮膚炎の症状を軽減していくために大切になってくるのです。
また溝口徹氏はビタミンCは副腎に貯め込むことが出来ると述べており、少量(1000mg以下)を2~3時間おきに摂取するのが効果的だとしています。
そのためにはビタミンCをサプリメントから摂るのが一般的ですが、十分な量のビタミンCを手軽に摂取したい方は、粉末のかたちで売られているL-アスコルビン酸がおすすめです。
以下のような高品質なL-アスコルビン酸を、水や飲料などに溶かしてこまめに飲むことは、アトピー対策のためのビタミンCの補給方法として効果的です。
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また、天然由来のものからビタミンCを摂取したいという方は、たとえば、ビタミンCがたいへん豊富に含まれているサジージュースやカムカム果汁、柿の葉茶なども、ビタミンCのこまめな補給に役立ってくれます。
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以上が、ビタミンCサプリメントの副腎を強化してアトピー性皮膚炎を改善する効果についてです。
アトピー性皮膚炎を改善するための油の摂り方とは?
当ブログでは「アトピー性皮膚炎をサプリメントや食事の栄養効果で改善するための方法と対策」について述べていますが、今回は「アトピー性皮膚炎を改善するための油の摂り方」について書いていきたいと思います。
アトピー性皮膚炎の症状を食事によって緩和・改善していくには、正しい油の摂り方を知っておくことが大切になってくるのです。
その理由としては、まず、アトピー性皮膚炎はおでこや顔の頬、脇の下など、皮脂腺が多く集まっている場所に最初に集まってくることが挙げられます。
そして、注目すべきなのは、牛乳や肉、卵、油などの摂取量が、アトピー患者の増加量と比例関係にあるということです。つまりアトピーの悪化の原因は油にあるといえるのです。
(このあたりのことは、医学博士の永田良隆氏の『油を断てばアトピーはここまで治る』に詳しく書かれているので、関心がある方は一読していただきたいと思います)。
アトピーの原因になる脂肪酸とは?
ところで、食べ物に含まれる脂肪酸には飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸がありますが、アトピー性皮膚炎のかゆみの症状に関係しているのは、不飽和脂肪酸のオメガ6だと言われています。
オメガ6の脂肪酸は必須脂肪酸であるため、体内で合成されず、以前は積極的な摂取が推奨されましたが、近年はこのオメガ6の脂肪酸を知らないうちに過剰摂取していることが、アレルギーや動脈硬化など健康に悪影響を与えるとして問題にされるようになりました。
この不飽和脂肪酸のオメガ6が具体的にどのような油に含まれているのかといえば、サラダ油や紅花油、ごま油など、植物性の油で、ご家庭の調理の際に使われるだけではなく、市販のマヨネーズやドレッシング、カップラーメンやお菓子、カレールーなどの加工食品にも大量に使われています。
そしてアトピー性皮膚炎において問題になるのは、このオメガ6の不飽和脂肪酸の中に含まれている「リノール酸」です。
このリノール酸は代謝の過程でアレルギー反応に関わるアラキドン酸になり、やがてかゆみ物質であるロイコトリエンに変換されてしまいます。
そのため、リノール酸の過剰摂取がアトピー性皮膚炎の症状を引き起こしてしまう大きな原因なのです。
また、水素結合が足りない不飽和脂肪酸に対して、人工的に水素添加することで出来たいびつな飽和脂肪酸である「トランス脂肪酸」もアレルギーを引き起こすとされているので、注意が必要です。
アトピーを改善するにはオメガ3脂肪酸をバランスよく摂るようにすることが重要
それでは、日頃の食事においてアトピー性皮膚炎の症状を緩和したり改善したりするには、どのようなことを心がければ良いのでしょうか?
アトピー性皮膚炎の症状の緩和・改善には、まず、リノール酸が含まれている植物油を食事でなるべく減らしていくことが大切です。
そして、その代わりにオメガ3と呼ばれる脂肪酸をバランスよく摂っていく必要があります。
オメガ3脂肪酸(α‐リノレン酸、DHA、EPA)は、オメガ6脂肪酸と相反する性質を持ち、アレルギーの症状を緩和する働きがあると言われています。
中でもEPAは炎症を抑制し、アレルギーの症状を緩和するのに高い効果を発揮するとされています。
しかしだからといって、オメガ3脂肪酸を大量に摂取するのは禁物ですが、オメガ6のリノール酸を過剰摂取している傾向がある場合は、ある程度のオメガ3脂肪酸を積極的に摂ることで、オメガ6とオメガ3の脂肪酸のバランスをうまく調整していく必要があると考えられます。
ちなみにオメガ6とオメガ3の摂取量の理想的なバランスは2:1や1:1だと言われています。
以上が、普段の食事において、アトピー性皮膚炎の症状を改善していくための正しい油の摂り方です。
からだの内側からアトピー性皮膚炎の症状を治していくためには、油の摂り方は非常に重要になってきますので、ぜひ油(脂質)の摂り方に気をつけてみてください。
また、油はかゆみの原因になりやすいため、アトピーを治していくための秘訣は、オメガ6やオメガ3に関わらず、植物油の摂取量自体を減らすことだといえます。
そのため、炒め物など、調理の際は、サラダ油の使用をやめ、飽和脂肪酸が主体であるココナッツオイルやバターを使ってみるのがオススメです。
アトピー性皮膚炎とリーキーガット症候群の関係とは?
当ブログでは「アトピー性皮膚炎をサプリメントや食事の栄養効果で改善するための方法と対策」について述べていますが、今回は「アトピー性皮膚炎とリーキーガット症候群の関係」について書いていきたいと思います。
「リーキーガット症候群」とは、わかりやすくいえば、腸の粘膜のバリア機能が弱まって薄くなったり、穴があいたりすることで、細菌やウイルス、未消化のタンパク質などが体内に入りこみやすくなり、そのことが原因でアレルギー症状が起こりやすくなってしまうことです。
この「リーキーガット症候群」の問題について詳しいのは、医師の﨑谷博征氏です。﨑谷医師は、『「原始人食」が病気を治す』のなかで、「リーキーガット症候群」について以下のように述べています。
ヒトの腸内には、100種類以上、100兆個以上の腸内細菌が棲息しており、消化管内部で絶妙なバランスの生態系を作り出しています。その生態系は「腸内細菌叢」と呼ばれ、各人によって異なります。
この腸内細菌叢が変化し、腸の粘膜が薄くなる、もしくは穴が開くことで細菌やウイルスなどの異物が体内に入りやすくなることがあります。
これが、リーキーガットです。
そして、このリーキーガットが、多くの慢性炎症の主原因となっていることが判明してきました。
(中略)
腸の粘膜にはバリアがあり、異物が簡単に通り抜けて全身の血液中に入ることはできません。しかし、1度、腸のバリアが破られると、食物、バクテリア、ウイルスなど、腸の粘膜表面にあった抗原が血液中に入ってしまいます。
これを、「内毒素血症」といいます。(﨑谷博征『「原始人食」が病気を治す』p92~93)
また、バクテリアやウイルスのたんぱく質だけでなく、食事中のたんぱく質も消化を免れて腸に開いた穴から血液中に入り込みます。
通常の場合、私たちの体は、消化された小さな食物分子を必要としています。分子の大きさによって、腸壁で食物分子を選別しているのです。小さな食物分子として腸壁から吸収された場合に、それは栄養素として認識されます。
ところが、リーキーガットが起こると、大きな分子も腸壁を通過します。大きな食物分子は異物として認識され、異物に対する抗体が作られます。その後、もし仮にリーキーガットの症状がある程度改善したとしても、体内にはその食物分子に対する抗体が残っています。それがアレルギー反応を引き起こすことになります。
小さいお子さんが食物アレルギーに悩まされるケースがしばしばありますが、その発症にもリーキーガットがかかわっています。(﨑谷博征『「原始人食」が病気を治す』p93~94)
リーキーガット症候群について詳しく書かれている『「原始人食」が病気を治す』
リーキーガット症候群の原因とは?
﨑谷医師はこのように述べ、さらにリーキーガット症候群の原因になるものとして、以下を挙げています。
- 非ステロイド系消炎鎮静剤(NSAIDs)
- 経口避妊薬
- 抗生物質
- 細菌毒素(クロストリディアム・デフィスィール 毒素A)
- 長期間の点滴(絶食)
- 外傷、火傷などのストレス
- 糖類
- 糠
- アルコール
- グルテン
- レクチン
- サポニン/グルコアルカロイド
- カプサイシン
- タウチマン様たんぱく質
- タンニン
- 牛乳
(﨑谷博征『「原始人食」が病気を治す』p97~98)
アトピー性皮膚炎はアレルギーの一種であるとされていますので、このリーキーガット症候群を防ぐことで、アトピーの症状が緩和されることは十分考えられます。
そのためには、腸内フローラ(腸内細菌叢)のバリア機能が高まるよう、腸内環境の改善を行うことが必要不可欠になってきます。
また腸内環境の改善によってリーキーガット症候群を防ぐために特に有効なのは、食物繊維を多く摂ることによって短鎖脂肪酸を生み出すことだと考えられます。
さらに納豆などの発酵食品もリーキーガット症候群を防ぐのに効果的だとされています。
発酵食品がアトピー性皮膚炎の改善に効果的なわけ
当ブログでは「アトピー性皮膚炎をサプリメントや食事の栄養効果で改善するための方法」について述べていますが、今回の記事では「発酵食品がアトピー性皮膚炎の改善に効果的なわけ」について述べていきたいと思います。
発酵食品がアトピー性皮膚炎の改善に効果的な理由は、発酵食品には腸内環境を改善するのに有効だからです。
アトピー性皮膚炎を治していくためには腸内環境の改善が必要不可欠ですが、発酵食品には、わたしたちの腸の腸内環境をより良いほうへ変えていく力があるのです。
そのため、腸内細菌のバランスを整え、腸内環境を改善していくのに発酵食品は非常に役立ちます。
また、腸の粘膜のバリア機能が弱まり、腸に穴があくことで、未消化のタンパク質や細菌などが入りこみ、アレルギーの原因になる「リーキーガット症候群」の対策にも、発酵食品が良いとされています(参考 﨑谷博征『「原始人食」が病気を治す』)。
このことに関して、医学博士の藤田紘一郎氏は、腸粘膜の表層は乳酸菌が守っており、自分の乳酸菌を育てるためには、日本伝統の発酵食品が最適だと述べています。
乳酸菌など善玉菌がつくった溶液は、そこに菌が生きていなかったとしても、腸に届けば善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える役目を果たしてくれます。
今後、腸の健康法は「自分の乳酸菌をいかに育てるか」に重点を置いて語られることになるでしょう。善玉菌を新たに腸に入れるより、赤ちゃんのころから腸に棲んでいる自分の善玉菌を増やすほうが、腸の健康には効率的なのです。
そう考えると、日本人の腸には日本の発酵食品が最適です。私たちの腸にいる乳酸菌は、親から子へ、養育環境の中で受け継がれてきたものです。味噌や醤油、酢、納豆、ぬか漬けなど、日本人が昔から食べついできた発酵食品には乳酸菌がたっぷり含まれています。
日本古来の発酵食品からは、私たちの腸にもともと棲んでいる乳酸菌も、その乳酸菌がつくり出した溶液も、両方を一度に摂取できます。(藤田紘一郎『人の命は腸が9割』p58~59)
このように自分の腸に棲んでいる乳酸菌を育てることで、アトピー性皮膚炎を改善していくという意味で、納豆やぬか漬けなどの発酵食品は有効なのです。
しかし藤田氏紘一郎は「スーパーなどで売られている食品は、見せかけの発酵食品も少なくありません」と述べており、「本物の発酵食品を食べるには、蔵元から直接取り寄せるなど、ひと手間かけたほうがよさそうです」としています。
そのため、ヨーグルトやチーズ、キムチなどの発酵食品に関しては、コンビニエンスストアやスーパーで安価なものを買うより、少し値段が高くても、自分で腸内環境が改善されるのを実感できるお気に入りのものを探した方が良いといえます。
短鎖脂肪酸がアトピー性皮膚炎の改善に効果的な理由
当ブログでは「アトピー性皮膚炎をサプリメントや食事の栄養効果で改善するための方法」について述べています。前回の記事では、「アトピーを改善するために食物繊維の腸内環境改善効果が大切なわけ」について書きましたが、今回は「短鎖脂肪酸がアトピー性皮膚炎の改善に効果的な理由」について述べていきたいと思います。
前回の記事では腸内環境の改善に必要不可欠な食物繊維について書きましたが、この記事で述べる「短鎖脂肪酸」とは腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖などを原料にして作り出す飽和脂肪酸の一種で、酢酸、酪酸、プロピオン酸などの総称です。
この短鎖脂肪酸が腸内細菌によって生み出されると、以下のような効果がもたらされるとされています。
- 脂肪の蓄積を減らし、全身の代謝を活発にして肥満を防ぐ
- 糖尿病を直接的に改善するホルモン「インクレチン」を増やす
- アレルギー反応を抑えるTレグを増やす
- 脳内伝達物質であるセロトニンの分泌を促す
- 腸のバリア機能を高めることで、食中毒、炎症、食物アレルギー、動脈硬化、がんなどの病気を防ぐ
- 短鎖脂肪酸ができる過程で腸内細菌から水素が発生し、活性酸素を中和する
- 腸管の活動エネルギー源となる(藤田紘一郎『腸内細菌が家出する日』より抜粋)
アレルギーの一種であるアトピー性皮膚炎を治すためには、腸内環境の改善が重要なわけですが、なぜ腸内環境の改善が必要なのかといえば、腸内環境を改善することで、Tレグ(制御性T細胞)が増えて、免疫細胞のバランス(Th1とTh2)が良くなるからだとされています。
このことに関しての詳細は以下の記事をご参照ください。
そして、Tレグ(制御性T細胞)を増やすのは、理化学研究所などの実験では酪酸であるといわれ、その酪酸とは短鎖脂肪酸の一種ですから、食物繊維を摂ることで、腸内細菌が短鎖脂肪酸をきちんと生み出せば、そのぶん、アレルギー症状の一種であるアトピー性皮膚炎が改善されることは十分考えられるのです。
また短鎖脂肪酸は、腸のバリア機能を高めるとされていますので、腸に穴があくリーキーガット症候群によるアレルギー症状を防ぐのにも役立つと思われます。
短鎖脂肪酸によってアトピーを改善していくためには?
では、短鎖脂肪酸によってアトピー性皮膚炎を改善するには、どうすれば良いのでしょうか?
そのためには、やはり、普段の食事において食物繊維が多く摂ることが大切になってきます。
また、短鎖脂肪酸がきちんと作られるためには、腸内細菌のチームワークが大切だといいますので(参考 藤田紘一郎『腸内細菌が家出する日』)、日頃から腸内細菌のバランスを整えることが重要です。
さらに、サプリメントから短鎖脂肪酸を摂りたいという方は、乳酸菌生成エキスとして最初から短鎖脂肪酸が含まれている【善玉元気】 が販売されています。
こちらは、サプリメントとして短鎖脂肪酸を摂れるだけではなく、食物繊維も含まれているため、外だけではなく、内からの短鎖脂肪酸の生成もサポートしてくれます。
アトピーを改善するために食物繊維の腸内環境改善効果が大切なわけ
当ブログでは「アトピー性皮膚炎をサプリメントや食事の栄養効果で改善するための方法」について述べていますが、今回は「アトピーを改善するために食物繊維の腸内環境改善効果が大切なわけ」について述べていきたいと思います。
食物繊維は乳酸菌と同様、腸内環境を改善し、アトピー性皮膚炎を治していくための栄養素として必要不可欠な存在です。
特に食物繊維はその摂取量が年々減っているとされており、そのことが大腸がんや炎症性腸疾患など、腸に関する様々な病気の発症原因になっているといわれているほどです。
ちなみに「食物繊維」とは、人の消化酵素で消化されない難消化性成分のことです。
その食物繊維の働きと、アレルギー症状の抑制効果の関係性として、例えば溝口徹氏は、以下を挙げています。
- 毒物を排出して肝臓を保護し、腸内環境を改善する。
- ぜん動運動を促し、腸内に便がとどまる時間を調節して、便秘を解消する。
- 血糖値の上昇をおさえることで、副腎の疲労を予防する。
- 糖質過多により起こる副腎皮質の披露を改善する。
- 善玉菌のエサとなり、腸内細菌のバランスを整える。
(溝口徹『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』p180)
また食物繊維は、水に溶けやすい「水溶性」のものと水に溶けにくい「不溶性」のものに分けられます。
ネバネバやサラサラの性質がある水溶性食物繊維は、ドロドロになって腸内をゆっくり移動するため、空腹や食べ過ぎを防ぐ効果があります。さらに糖質の吸収をゆるやかにする作用もあります。
アトピー性皮膚炎の場合は、糖質の過剰摂取で血糖値が乱高下してしまうと、血糖値を安定させるために、ステロイドホルモンを作り出す副腎皮質が疲労してしまうといわれていますので(参考 溝口徹『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』)、糖質の吸収を穏やかにするために、水溶性の食物繊維は特におすすめです。
一方、不溶性食物繊維はボツボツ・ザラザラしており、胃や腸で水分を吸収すると大きく膨らむため、腸を刺激してぜん動運動を活発にし、便通を促します。
ちなみに便秘の改善のために食物繊維を摂る場合は、不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよく摂っていくことが必要になります。
食物繊維の種類
◎水溶性食物繊維
ペクチン、グアーガム、イヌリン、グルコマンナン、βグルカン、難消化性デキストリン、など
◎不溶性食物繊維
セルロース、リグニン、アガロース、ペクチン、キチン、キトサン、など
・水溶性食物繊維が豊富に含まれている主な食材
わかめ、昆布、モズク、寒天、らっきょう、ごぼう、イチゴ、アボガド、雑穀類、納豆、切り干し大根など。
・不溶性食物繊維が豊富に含まれている主な食材
ごぼう、さつまいも、玄米、キヌア、雑穀類、チアシード、アボガド、大豆、納豆、切り干し大根、干ししいたけ、アーモンド、くるみ、落花生など。
食物繊維はアレルギーや炎症の抑制にもつながる
また食物繊維を摂ることで(特に水溶性食物繊維)、腸内細菌が発酵を起こすと、短鎖脂肪酸が生成されます。この短鎖脂肪酸は炎症を抑える作用などがあり、アレルギー症状の改善に高い効果を発揮するとされています。
アトピー性皮膚炎を改善するために食物繊維を摂るには、食物繊維が豊富に含まれた野菜類、豆類、海藻類、きのこ類などを普段の食生活のなかで積極的に食べることが必要になります。
また食物繊維だけのものがサプリメントとして販売されていますので、それらを利用することで食物繊維の不足を補うことができます。
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ちなみに食物繊維は炭水化物に分類されるため、炭水化物ゼロを目指す糖質制限を行ってしまうと、食物繊維の不足によって腸内環境が悪化することが考えられますので、糖質制限を行なったとしても、食物繊維はしっかり摂るようにすることが大切です。